「くせ毛をきれいに伸ばしたい」・・・こう思うのは、美容師もお客様も一緒です。
でも、時にその気持ちが強いと「傷み」という弊害が出てしまうこともあります。
髪全体のクセの強さが均一な方や、還元(クセを1液でほぐす)がスムーズな髪質の方は、比較的容易に施術が進むので、間違った薬液選択と塗布をしなければ、きれいに伸びます。
一方、髪の部分部分で還元のスピードが異なる場合や、髪が細い方、クセが伸びにくい(還元が遅い)方は、従来のアルカリの縮毛矯正剤ですと、薬液に対して敏感な部分が、還元剤で還元(クセを解く)する前に、アルカリ剤で過剰な膨潤が起きてしまいます。
(従来の縮毛矯正剤、特に強いクセの髪に使うものは、還元剤+アルカリ剤で出来ています)
それが、クセが伸びずに、チリつきやパサつきが出てしまう原因です。
では、そのような髪の方には、どのような施術をすればきれいな髪になるのでしょう。
1つは、アルカリで膨潤させないことです。(アルカリ膨潤の必要ない還元剤を使う)
2つ目は、ツヤと潤いを残しながらきれいに伸ばす還元度合いを100とすると、敏感な部分を100に以下に合わせ、伸びにくい部分がたとえ85〜95でも(クセの伸びが不完全)次の工程に進み、残りの5〜15%のクセは次回の縮毛矯正時に繰り越すということです。
一見きれいに伸びている縮毛矯正でも、伸びにくいところを100にしてしまうと、敏感な部分は、必ず100を超えてしまっていて、傷みを感じる一歩手前くらいのときも多いです。
このようなときは、デジタルパーマでも、かかるはかかるのですが、カールが細く出てしまったり、パサついたりします。
100を超えると、「乾燥」「弾力の減少」「パサつき」「チリつき」「ビビリ(スチールウールのようになる)」「ポワポワ膨張する」・・・など色々な傷みの症状が出てきます。
このように、縮毛矯正での傷みの大部分は、必要のないアルカリの過膨潤と、過還元にあります。
(その他、カラー剤の重なりでの、アルカリ過膨潤も原因の一つです。縮毛矯正時アイロン工程に関しては途中で止めたり、過剰にスルーしなければ、それほど心配しなくて大丈夫です。普段スタイリングでのアイロンは、やればやるほど傷んでしまいます)
縮毛矯正の傷みを治していくためには、「伸びにくい部分の、伸びの多少の不完全さ」は我慢しなければならない時が多いです。
もちろん、伸びやすい部分と、伸びにくい部分の差をなくすような、できる限りの手立てはしますが、差が大きい髪質の方は、10〜15%前後の差は出てしまいます。
2回目以降に繰り越す、クセの部分も2回目には、ほぼ100に届き、1回目で既に100のところは、2回目以降は薬をつけません。
そのようにすれば、セミロングくらいの方ですと、2〜3回目には、傷みをカットしていけば、だいぶ良くなってきます。(チリつき部は、一度なると根本的には元には戻りませんので、少しずつカットしていくことになります)
期間的には、その方その方で縮毛矯正の施術頻度は違いますので、長期間にわたるとこもありますが、上記のようにやっていけば必ず良くなります。
「傷むには1日。治すには何ヶ月も何年も」
が縮毛矯正です。
デジタルパーマも、原理は似ていますので同じようなことが言えます。
これから、空気も乾燥する季節になってきますので、髪に潤いを与えながらしっかりヘアケアしていきましょう。

